線維筋痛症と障害年金について

公開日:2026年4月/監修:広島障害年金支援センター

全身に痛みが続き、ペインクリニックやリウマチ科に通院しているのになかなか診断がつかない——そのような状況で「障害年金を請求できないか」とお悩みではありませんか。

線維筋痛症は、適切な書類を整えることで障害年金を受給できる可能性がある疾患です。この記事では、広島在住の当事者の方の声も踏まえながら、請求のポイントをわかりやすく解説します。

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1. 線維筋痛症とはどのような病気か

線維筋痛症は、身体の広い範囲に3か月以上にわたって強い痛みが続く難病で、国内では約200万人が発症していると推計されています。痛みのほかにも、以下のような症状を伴うことがあります。

  • 全身の激痛・こわばり(朝や天候変化時に悪化しやすい)
  • 強い疲労感・倦怠感
  • 睡眠障害(眠れない・眠っても疲れが取れない)
  • 頭痛・しびれ
  • 記憶力・集中力の低下
  • 気分の落ち込み・抑うつ状態

血液検査や画像検査で明らかな異常が出にくいため、確定診断までに数年かかるケースも珍しくありません。整形外科・内科・ペインクリニック・リウマチ科など複数の医療機関を転々とされた方も多いのではないでしょうか。

2. 当事者の声:診断までの道のり

当センターの所長ならびにスタッフが参加した広島での当事者会(2026年4月・初回開催)では、多くの方が以下のような経験を共有されていました。

💬 当事者会で聞かれた声(広島・2026年4月)

  • 「検査では何も異常がないと言われ続けた。痛みを信じてもらえず孤独だった」
  • 「診断がつくまで半年から数年かかった。いくつもの病院を回った」
  • 「痛みで仕事を続けることが難しくなり、家族関係にも影響が出た」
  • 「医療従事者の理解不足を感じることが多かった」

こうした「見えない痛み」への理解不足は、診断の遅れだけでなく、障害年金の請求場面でも壁になることがあります。当事者の方自身が制度を理解し、適切に準備することが重要です。

3. 併発しやすい疾患について

線維筋痛症は単独で発症するだけでなく、他の疾患と重なるケースが少なくありません。

うつ病・不安障害などの精神疾患

長期にわたる激しい痛みや生活の質(QOL)の低下から、うつ病・不安障害などを併発するケースは臨床的に多く報告されています。精神科・心療内科にも通院されている場合、線維筋痛症単独とは請求の方針が変わる可能性があります。どちらの疾患を「主たる障害」とするかで使用する診断書・認定基準が異なりますので、必ず専門家にご相談ください。

化学物質過敏症・慢性疲労症候群

線維筋痛症と化学物質過敏症・慢性疲労症候群は、中枢神経の過敏化を背景として関連が指摘されており、当事者の方が複数の診断を持つケースがあります。ただしいずれも障害年金上は別疾患として扱われ、使用する診断書の様式や認定の考え方も異なります。

関節リウマチ・その他の疾患との鑑別

当事者会でもリウマチを経て線維筋痛症の診断に至ったという声がありました。関節リウマチなど他の疾患と症状が重なる場合は、確定診断を行った医療機関での診断書が請求の鍵になります。

4. 線維筋痛症は障害年金の対象になるか

線維筋痛症は「肢体の機能の障害」として障害認定基準が適用され、重症度(ステージ)に応じて1〜3級に認定される可能性があります。

障害等級 線維筋痛症の状態の目安 対応ステージ 対象年金
1級 日常生活のすべてに他人の介助が必要な状態 ステージⅤ 障害基礎年金+障害厚生年金
2級 日常生活に著しい制限がある(就労が困難) ステージⅣ 障害基礎年金+障害厚生年金
3級 労働に著しい制限がある ステージⅡ〜Ⅲ 障害厚生年金のみ

⚠ 重要:3級は初診日に厚生年金に加入していた方のみ対象

  • 初診日に国民年金加入中だった方(自営業・フリーランス・無職等)は、2級以上でなければ障害年金を受給できません
  • どの日が初診日と認定されるかによって、障害基礎年金か障害厚生年金かが変わり、受給できる等級・金額に大きな影響が出ます。

5. 請求で特に重要な4つのポイント

① 初診日の確認が最初の関門

線維筋痛症の障害年金請求において、初診日の特定は最大の難所です。

「最初に線維筋痛症と診断された日」ではなく、最初に痛みや関連症状で医療機関を受診した日が初診日になる可能性があります。整形外科・内科・ペインクリニック・リウマチ科へ最初に受診した日が該当する場合もあります。

令和3年8月に日本年金機構が初診日の取扱いに関する通知を発出しており、確定診断前に受診した日を初診日として申し立てることが、一定の条件のもとで認められるようになっています。

📌 今すぐできること

  • 過去に受診した医療機関の領収書・お薬手帳・紹介状を保存しておきましょう。
  • 初診日の証明に役立つことがあります。
② 使用する診断書の様式は「肢体の障害用」

難病の場合、「血液・造血器・その他の障害用」の診断書が使われることが多いですが、線維筋痛症では「肢体の障害用(様式第120号の3)」を使用します。

様式の取り違えは年金事務所での受理拒否や後日の差し戻しにつながります。なお化学物質過敏症を主病名として請求する場合は別の様式となりますので、病名ごとの扱いについては専門家にご確認ください。

③ 診断書にステージの記載が必須

線維筋痛症には重症度の5段階分類(ステージⅠ〜Ⅴ)があります。診断書の「現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」欄に、必ずステージを記載してもらう必要があります。

記載がない場合、年金事務所で受理されなかったり後日差し戻されたりすることがあります。受け取った診断書は必ず開封して内容を確認しましょう。

④ 日常生活の状況を記録しておく

線維筋痛症は「数値化しにくい」「見た目には分かりにくい」という困難があります。当事者会でも「痛みを信じてもらえなかった」という声が多く聞かれました。診断書における日常生活動作の評価(歩く・階段を上る・食事をするなど)が実態を正確に反映しているかどうかが、等級判定に直結します。

📌 今すぐできること

  • 日々の痛みの程度・できないこと・外出の頻度・家事の状況などをメモやスマホのアプリに記録しておきましょう。
  • 主治医への伝達や病歴・就労状況等申立書の作成に大いに役立ちます。
  • 薬の調整経過(トラマドール・リリカ等の変更歴)も記録しておくと、治療の経緯を示す材料になります。

6. 広島で請求する際の注意点

広島県内には線維筋痛症に精通した医療機関が非常に少ないのが現状です。当事者会でも「専門医を探すのに苦労した」「リウマチ科の先生に代わりに診てもらっている」という声が複数ありました。

専門医が限られる地域では、以下のようなリスクが生じやすくなります。

  • 主治医が「肢体の診断書」の作成に不慣れで、ステージ記載や日常動作評価が不十分になりやすい
  • 症状が変動するため、受診時の状態が軽く見えて診断書に実態が反映されないケースがある
  • リウマチ科など他科の医師が主治医の場合、線維筋痛症に特化した診断書の書き方に慣れていないことがある

このような地域特性があるため、線維筋痛症での障害年金請求は、制度に精通した専門家のサポートを受けることが特に重要です。

📌 当事者会・当事者グループについて

  • 広島でも線維筋痛症の当事者会・当事者グループの取り組みが始まっています。
  • 同じ疾患を持つ方同士の情報共有は、医療機関の選択や日常生活の工夫に役立ちます。
  • 障害年金の相談窓口としても、当センターが当事者会との連携を進めています。

7. まとめ

この記事のポイント

  • 線維筋痛症は「肢体の機能の障害」として障害年金の対象になる
  • 最初に痛みで受診した日(整形外科・内科・ペインクリニック・リウマチ科を含む)の記録を今すぐ確認・保存する
  • 診断書は「肢体の障害用」を使用し、必ずステージを記載してもらう
  • 毎日の生活の困難さ・薬の調整経過をメモに残しておく
  • うつ病・化学物質過敏症など他の疾患を併発している場合は、その点も含めて専門家に相談する
  • 線維筋痛症は広島では専門医が少ないため、請求の際は専門家への早めの相談が重要

線維筋痛症は、症状の深刻さに比べて「外見には分かりにくい」という難しさがあります。しかし、適切な書類を整えることで障害年金を受給できる可能性は十分にあります。一人で抱え込まず、まずはご相談ください。

広島障害年金支援センターでは、線維筋痛症を含む難病・肢体障害の障害年金請求について無料でご相談をお受けしています。
オンライン相談にも対応していますので、広島県外の方もお気軽にどうぞ。

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障害年金制度の最新動向(2026年4月版)

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公開日:2026年4月/監修:広島障害年金支援センター

この記事は2026年4月時点の公表情報をもとに作成しています。個別の状況により結論は異なりますので、詳しくは無料受給判定もあわせてご利用ください。

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1.はじめに

障害年金は、病気やけがによって日常生活やお仕事に支障が生じた方の生活を支える、大切な公的年金制度です。

制度改正や運用見直しの話題が出るたびに、「自分に関係があるのだろうか」「今のうちに確認した方がよいのだろうか」と感じられる方も少なくありません。

2026年4月時点でもいくつかの動きがありますが、実際の請求を考えるうえでは、ニュースだけを追うのではなく、ご自身のケースで受給の可能性があるかどうかを丁寧に見極めることが大切です。今回は、2026年4月時点で押さえておきたいポイントを、続報として整理してみたいと思います。

2.2026年4月時点の主な動き

2026年4月時点の障害年金制度についてみると、分かりやすい動きの一つとして、令和8年度の年金額改定があります。

もっとも、障害年金を考える際に大切なのは、金額の改定そのものだけではありません。初診日、保険料納付要件、診断書の内容、病歴・就労状況等申立書など、請求の可否を左右する要素は今も変わらず重要です。

その意味では、今回の続報でお伝えしたいのは、「今年度は金額も改定されていますが、障害年金の本質はやはり個別事情の確認にある」という点です。

3.年金額の増額改定について

令和8年度は、障害基礎年金をはじめ、年金額の増額改定が行われています。年金額全体では、基礎年金が前年度比1.9%、厚生年金の報酬比例部分が前年度比2.0%の引上げとなりました。たとえば、障害基礎年金は、令和8年度において、1級が年額1,059,125円(月額88,260円)、2級が年額847,300円(月額70,608円)となっています。

また、障害年金そのものだけでなく、一定の要件を満たす方に支給される障害年金生活者支援給付金についても増額改定が行われ、令和8年度は1級が月額7,025円、2級が月額5,620円となっています。こちらは前年度から3.2%の増額改定です。

年金額の話はどうしても関心が集まりやすいところですが、今回の改定は、あくまで2026年4月時点の動きの一つとして押さえておきたいものです。請求できるかどうかや、実際にどの程度の受給につながるかは、金額表だけでは判断できません。

そのため、年金額の改定に目を向けつつも、実際にご自身が障害年金の対象となる可能性があるのかを、個別に確認していくことが大切です。

4.請求にあたって大切な基本事項

障害年金のご相談では、制度の最新ニュース以上に、基本事項の確認が重要になることが少なくありません。

たとえば、初診日がいつになるのか保険料納付要件を満たしているのか診断書の内容と実際の生活状況・就労状況にずれがないかといった点は、受給可否に大きく影響します。

また、障害年金は、単に病名があるというだけではなく、日常生活や就労にどのような支障があるかが重視される制度です。そのため、診断書だけでなく、病歴・就労状況等申立書の内容もとても大切になってきます。

5.直近1年要件について

保険料納付要件との関係では、いわゆる直近1年要件も、引き続き大切なポイントです。

これは、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、一定の場合に納付要件を満たすことができる特例です。納付歴に不安がある方でも、この要件によって請求の可能性が見えてくることがあります。

一方で、わずかな未納の有無が思わぬ影響を及ぼすこともあります。「昔のことなのでよく分からない」という場合でも、一度きちんと確認しておくことで、見通しが立てやすくなります。

6.請求時期について

障害年金は、該当する可能性があっても、請求をしなければ支給は始まりません。

とくに事後重症による請求は、原則として請求した月の翌月分から支給される仕組みです。そのため、対象となる可能性があるにもかかわらず手続が先延ばしになると、その分だけ受給開始も遅れることになります。

「働いているから難しいのではないか」「前に断念したので今回も無理かもしれない」と思われている方でも、状況によっては請求を検討した方がよい場合があります。迷われている場合こそ、早めに方向性を確認しておくことが大切です。

7.制度運用をめぐる報道について

なお、障害年金制度をめぐっては、近時、審査運用に関する報道や見直しの議論もみられますが、日本年金機構においても、認定状況の点検、理由記載の改善、認定事例の共有、体制強化など、制度の適正な運用に向けた見直しが進められています。そのため、報道だけで過度に不安を強めるのではなく、まずは受給の可能性についてご相談いただくことが大切です。障害年金請求に必要となる初診日確認から書類作成、請求手続まで、当センターが一貫して承ります。

8.まとめ

2026年4月時点の障害年金制度については、年金額改定という分かりやすい動きがある一方で、請求実務の本質は今も大きく変わっていません。

  • 令和8年度は年金額が改定されていること
  • 障害年金生活者支援給付金も増額されていること
  • ただし、請求の可否は金額表だけでは決まらないこと
  • 初診日、納付要件、診断書、申立書などの確認が引き続き重要であること

こうした点を踏まえると、制度の話題だけで判断するのではなく、実際にご自身の状況で受給の可能性があるかどうかを確認することが何より大切です。

障害年金の請求は、一般の方にとって分かりにくく、負担の大きい手続になりがちです。そうした煩雑な手続については、どうぞ当センターにご一任ください。

9.お問い合わせ

「自分も障害年金の対象になるのだろうか」「働いていても請求できるのだろうか」といったご不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください。

初診日確認から必要書類の整備、請求手続まで、当センターが一貫して承ります。

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Q.障害年金とあわせて請求できる制度や、ほかに利用できる支援はありますか?

はい、あります。

障害年金の請求を検討するときは、年金そのものだけでなく、障害年金とあわせて請求した方がよい制度や、別に利用できる支援制度がないかも確認することが大切です。

まず、障害年金とあわせて確認したい制度として、障害年金生活者支援給付金があります。これは、障害基礎年金を受ける方のうち、一定の要件を満たす場合に、年金に上乗せして支給される給付です。障害基礎年金を新規に請求する方は、通常、年金の請求手続とあわせて確認しておきたい制度といえます。

次に、障害年金とは別に利用できる支援制度として、次のようなものがあります。

  • 自立支援医療(精神通院医療)
    精神疾患やてんかんなどにより継続的な通院治療が必要な方について、通院医療費の自己負担を軽減する公費負担医療制度です。障害年金とは別制度ですが、精神の障害でご相談いただく方にとっては、あわせて検討することの多い代表的な支援です。
  • 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金返還期限猶予
    病気や障害などにより奨学金の返還が難しくなった場合には、返還期限猶予を利用できる可能性があります。 また、死亡または精神・身体の障害により返還ができなくなった場合には、要件に応じて返還免除の対象となることがあります

当センターでは、障害年金の請求手続を進めるにあたり、請求書類の作成だけで終わるのではなく、障害年金生活者支援給付金の請求要否や、ご事情に応じた各種支援制度の活用可能性もあわせて確認しております。

たとえば、必要に応じて日本学生支援機構の奨学金返還期限猶予なども視野に入れ、ご相談者様からご希望があったものだけを扱うのではなく、利用できる制度をこちらから拾い上げてご提案しながら手続を進めています。

このように、障害年金の請求にとどまらず、周辺の支援制度まで見渡して進めていくことが、当センターの特長です。

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